返報性の原理という言葉はご存知の方も多いと思います。
何かをしてもらったらお返ししなきゃ!と思う心理のことです。
私は恋愛において、「返報性の原理」という言葉を知る前から使っていました。そして、失敗してきました。
恋愛において「返報性の原理」は、使い方を間違えると逆効果に働くのです。
恋愛心理でよく登場する言葉に「好意の返報性」というものがあります。あれも一種の「返報性の原理」ですが、今回お話することとは、また少し違います。
「好意の返報性」については以下の記事で書いていますので、お時間がある方は、あわせて読んでみてくださいね。
返報性の原理は恋愛には逆効果!?
洋服屋さんに行くと店員さんが試着をすすめてきますよね。あれも一種の「返報性の原理」を利用しています。
もちろん、その服を着て似合っている自分を見て「これ買おう!」と購入を決断する場合もありますが、「試着した手前、断れない。買っちゃおうかな…」という人もいます。
店員さんがサイズを見てくれたり、アドバイスをくれるうちに、なんだか断れなくなってしまいます。
スーパーやデパ地下での試食も、そう。「試食させてもらったから、買わなきゃ」と思う人もいるんですね。
それならば、恋愛でも「返報性の原理」を使えるかも?と思うかもしれません。
「好きな人に優しくしてあげたら、優しくしてくれるかも」
「好きな人にお土産をあげたら、お礼に誘ってくれるかも」
「好きな人に尽くしたら、好きになってくれるかも」
「好きな人によくしたら、誘いに乗ってくれるかも」
たしかにその通りで、「よくしてくれるから、誘いを断るのもなぁ」と感じさせることはあります。
断れなくて誘いに乗ったら、彼女と過ごす時間が楽しくて、彼女のことが気になりはじめた!なんてこともあります。
だから返報性の原理は恋愛で使えないわけではありません。
恋愛の取っ掛かりとしては有効です。
しかし返報性の原理というのは、あくまで「お返ししたい」ではなくて「お返ししなきゃ」という義務感です。
あまりに何かをもらいすぎたり、あまりに尽くされたり、よくされすぎると、「お返ししなきゃ」というプレッシャーから、相手は受け取り拒否をはじめます。
何かをあげすぎない、してあげすぎないことが、ものすっごく大切なんです!!
恋愛で大切なのは、男性が、彼女のために「何かしたい」と自ら思うことです。義務感ではなく、どうしようもなく彼女のために何かしてあげたいと思うことです。
LINEにも返報性の原理が働く
既読スルーをしてしまうこともあると思いますが、基本的には、LINEをもらったら返信しなきゃと思いますよね。これも返報性の原理です。
だからあまりに頻繁にLINEがくると「返信しなきゃ」というプレッシャーが大きくなり、嫌になることがあります。
それが既読スルーにつながったりもします。
あえて「返信はいらないから、LINEしたいときするね」と、本当に返信がいらないのなら、あらかじめ言ってしまうのはアリです。
男性も返信しなきゃいけないというプレッシャーがなくなります。
そして、男性へのLINEに長文を送らない方がいい理由も、長い文章を送ってこられると「同じぐらいの分量で返信しなきゃ」と思う、返報性の原理が働くからです。
さすがに一文で返すわけにもいかず、文章をつくるのが苦手な男性にとって負担に感じてしまいます。
愛されベタな女性にも返報性の原理が働いている
「迎えに来てもらうなんて申し訳ない…」
「奢ってもらうなんて申し訳ない…」
「私の家の方面で会うのは申し訳ない…◯◯くんの家の近くでいいよ!」
愛されベタな女性は総じて受け取るのが下手であり、愛され上手は受け取り上手です。
愛されベタな女性が受け取るのが下手な理由は、心の奥底に「私なんかに労力をつかってもらっても、私にはお返しできない」と思っているから。
これも返報性の原理が働いていますよね。
何かしてもらったらお返ししなくてはいけない。けれど、私は彼にお返しできるものはないと思っているから、受け取るのを拒んでしまうのです。
つまり、自分に自信がなく、過小評価しているのです!
一方で受け取り上手な愛され女子は、
彼は私のことが大好きで、
彼は私といると幸せ。
だと思っています。
だから、「私と一緒にいる」こと自体が、お返しなんですね。
「彼は私のために何かするのが楽しい」ということを知っているのです。
女性は基本、受け取る側でいい
好きな人ができると、彼のためにいろいろしてあげたくなる女性は多いと思います。
私もそうでした。
私の場合は、自分の欲求のままに世話をやき、心配をし、尽くしましたが、思うように愛されることはありませんでした。
返報性の原理がどうのこうのなんて考えもしていませんでしたが、彼のためと言いながら、どこかで見返りを求めていたのも事実。
「なにかをしてあげたら、愛情をもらえるだろう」と、返報性の原理が働くことを期待していたのです。
これでは男性がプレッシャーを感じても仕方がありません。
女性は、好きな彼のために何かをするのではなく、男性がしてくれることを受け取るだけでいいのです。
「ありがとう」と笑顔で受け取ること。これが、お返しなんです。
どうしても何かしたいなら、「いつもありがとう」と、たまに小さなお返しをするのがおすすめです。
もし、好きな彼からたいして何もされていないなぁ…と思うなら、何かしてもらってください。相談に乗ってもらったり、お願い事をして、自分のために何かしてもらいましょう。
そのお礼として、できれば短めの手書きのメッセージをつけて、負担にならないぐらいの小さなお返しをする。
こういう女性の気遣いって、男性は好きなんです。
義務感よりも、「また、彼女のために何かしてあげたい」と、きっと思うでしょう。
男性って、自分が、何かしたいんです。
自分がすること以上のものを受け取ってしまうと、それが「ない」ものになってしまいます。
返報性の原理を恋愛で使うなら
恋愛で返報性の原理を使うなら、自己開示をしてみるのがいいと思います。
自己開示とは、他人には話せないような話や、ありのままの自分を見せること。カッコいい自分だけでなく、ダメな部分も見せることです。
自己開示は、お互いの距離をグッと縮めてくれます。
もし、他人には話せないような話をされたら、「俺も何か話さなきゃ」と思う。ここに、返報性の原理が働きます。
自己開示できる女性は、こうして相手の心を開きます。
人はありのままの自分を見せられる人といると、すごく居心地がいいのです。
だけど、ありのままの自分を見せることや、かっこ悪い自分を見せることは勇気がいります。
そんな時、相手がありのままの自分を見せてくれたら、こちらも鎧は脱ぎやすくなりますよね。
女性が恋愛で返報性の原理をつかうなら、相手のために何かするより、自己開示がおすすめです。